【シェフの独り言100】紅茶のお話

自治医大店「秋の収穫祭」。 たくさんのお客様がいらしてくださいました。
皆様の心温かいお心がこれまで自治医大店を支えて下さったと思っております。
心より感謝申し上げます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

先日数名のスタッフを連れてグリンデルのティールームで使用している
紅茶のメーカーである「茶壺房」の淺沼先生に勉強会を開いてもらいました。

img_5584内容は主に歴史のお話でした。
先生は紅茶の葉のブレンドする技術をお持ちで、もとは日本茶のいわゆるお茶屋の家でお育ちになりました。
縁あって日本茶ではなく紅茶の世界へ。
楽しいお話にあっという間の5時間でした。その中での一コマをこちらに書かせていただきます。

紅茶の育つ環境は実はコーヒーとほぼ同じで、暑いところを好むそうです。
紅茶で有名なセイロンティー。このセイロンとは昔の国名でスリランカの事です。
もともと紅茶は中国で生産されていましたが、植民地政策でイギリスの支配下であるセイロンで生産した方が有利なため、
こちらに力を注ぎました。

コーヒーの栽培も多かったこの地に害虫の大量発生があり、コーヒーの樹木がダメになりました。
その時閉鎖されたコーヒー農園で紅茶のプランテーション栽培が始まりました。
セイロンの気候はとても紅茶の栽培にあっており、強い日差しと冷涼な兼ねた山岳地帯で育てられる紅茶は香味に優れた物でした。

当時イギリス人支配者たちは生産をあげるため、インド南部のタミール人をスリランカに連れてきました。
しかしながら、このことが後々の民族紛争に発展してまいります。
紅茶が政治・文化に深くかかわっていく一部分ですね。

img_5566スリランカの地形は冷涼な山岳地帯と平らな土地がありますが、そこで栽培される種類は異なります。
高地産紅茶に「ウバティー」「ヌワラエリヤ」「ディンブラ」がありますが、グリンデルでは「ディンブラ」を
オレンジティーとしてオレンジのスライスと角砂糖を載せてお出ししています。
この「ディンブラ」はお砂糖とミルクを入れるためにブレンドしたような紅茶なので、
紅茶にお砂糖を入れないでお飲みの方は是非お試しください。紅茶のイメージが変わります!

山岳地帯の東側に位置するところでは「ウバティ」。三大銘茶の一つで深く厚みのあるつよい香り独特の豊かな香り。
冷たくしても香りが高いのでアイスティーに適してます。

「ヌワラエリヤ」は一番標高が高いところで取れます。まっすぐ渋みの通ったしっかりした味わいで、
上質なものは清々しい花のような香りとさわやかな渋味を持つ紅茶です。

お茶の木は標高が高ければ高いほど一生懸命葉をつけようとする結果、さわやかと思わせる渋みを放つそうです。
植物が育ちやすい雨の時期は香りがあまりなく、葉も大きくなってしまいます。
この時の葉をレイニーリーフといって、通常の出し方で入れますと渋み雑味が多くなります。
これらを入れる時は 紅茶の葉を倍にして短め1-2分程度にすると おいしくいただけます。

ところで紅茶はブレンダ―という人たちがブレンドしてます。たとえば「イングリッシュブレックファースト」とか
「オレンジペコー」とかは有名ですよね。
その年に取れたお茶はそれぞれのメーカーが買い付けていくのですが、その時にブレンダ―が味を決めます。
グリンデルご用達『茶壺房 CHAFUHBOU』はケーキと紅茶を考えた味で、グリンデルで取り扱っているものは淺沼先生が
自ら食して合うものをというコンセプトでセレクトされています。ぜひお試しください!